舞台『ユニコーン』の忘れられないまあやの一コマ

2019年1月に上演された舞台『ユニコーン』。まあやが出るというので2回ほど観に行きましたが、「舞台」というよりはコント色の強い「コントライブ」のようなものでした。

今になって調べてみると、正式には「MASHIKAKU CONTE LIVE ユニコーン」とされています。それをなぜ「舞台」だと思っていたのかといえば、まあや本人が「舞台ユニコーン」と言い続けていたんですよね。その影響を受けて、「舞台」だと思って観に行っていたということになります(笑)。

 

 

ユニコーン』を観に行った時、「舞台」という思い込みがあったので、観客なはずなのに妙な不安と緊張感がありました。

不安要素の一つには、ちゃんとまあやが台本を覚えているだろうか、という余計なお世話的なものがありました。

何様だよとは思いつつ、本人も心配していたので、こちらも心配要素が日に日に大きくなりました。乃木坂内でのミスなら本人のキャラクターがまだ浸透してる分、観ていられますが、外での仕事、しかも「舞台」と言っていたので心配要素は大きかったです。

「笑いの占める要素が多い舞台なんだろう」とは予想しつつ、でも台本の重要性は高いだろうと思ってたので緊張感もありました。なにせ、自分以外のなにかを演じなければいけないので「これは大変だぞ」と。

 

元々、まあやは自分からおもしろいことを言うタイプというよりは、なんかおもしろくなってしまうタイプの人だと思っているので、作り上げられたコントを自分がアレンジしておもしろくするというのは本人のタイプに合ってないんじゃないかという思いもありました。

そんな諸々の不安はありつつも、公演が終わると色々な発見がありました。

 

 

観劇して分かったことは「コントライブ」とは称しつつも、形式的には「オムニバスのコントライブ」だったということです。

コントライブ」というもの自体、基本的な形式はオムニバスなのかもしれませんが、普段観ることはないので結構意外ではありました。

1本だと思っていたコントの数は、全体の数で言えば8から9本もありました。

アヴァンギャルドなコントから、バカバカしいナンセンスなコント、濃いパロディのコント、幕間のVTR含めて大喜利もあり、様々な演目が上演されました。MASHIKAKUは放送作家や映像作家、音楽作家が集まる集団とのことですが、その集団に相応しいバラエティに富んだ内容となっていました。

まあやの出番はというと、そこまで多くなく少なくもなく、ちょい役を含めれば4つくらいのコントに出演していました。台詞もそこまで多くなく、ただ演じる役が多いので、「笑わせるためにどれくらい役からはみ出たらいいのか」とか、本人は色々考えながらやったのかなと想像を巡らせながら観ていました。

観ている方にとっても、1つの「舞台」を観るよりは、沢山の「オムニバスコント」である方が、1つ1つのネタを観る気持ちが軽くなり、リラックスして観ることができました。

不安要素はありましたが、「オムニバスコント」だと分かった時点で、懸念していた諸々の部分はほとんど払しょくされているように感じました。

そして、タイトルの『忘れられない一コマ』というのは、2回目の観劇、千秋楽でのことです。

 

 

千秋楽では、あまり色々と考えずにリラックスして観ようと思っていました。『忘れらない一コマ』は、OP映像の後の一発目のコントで訪れました。

(便宜上タイトルをつけるならば)『さっさ祭り』というコントで、とある番組のリポーターがとある街を訪れる場面からコントが始まります。

ステージ上手に円状のテーブルが置かれていて、そこに色々な食品が乱雑に置かれています。そして、その周りをお祭りかのごとく何人かが踊っています。

リポーターが下手にいる街の代表者にインタビューすると、この街ではありとあらゆるものを盗むことが許容されていて、あらゆるものを自分たちで調達していることが明かされていきます。

最終的にはリポーターもその空気に感化され、体に着ていた服やネクタイ、身ぐるみを剥がされて、パンツ一丁になって終わります。

まあやは町娘役で、リポーターの身ぐるみを剥がす役でした。もう一人の町娘役と2人でリポーターを挟み、町の代表者からの紹介を受けた後に、身に着けているものをさっさと盗っていきます。

もう一人の町娘役の人が(たしか)最初にメガネをとります。まあやは最初に腕時計をとります。これは一回目の観劇でも同じでした。次に、もう一人の町娘役の人がネクタイをとります。まあやは腕時計がとれません。次に、もう一人の町娘役の人が靴をとります。まあやは腕時計がとれません。次に、もう一人の町娘役の人が靴下をとります。まあやは腕時計が一向にとれません。

そこで大きな笑いが起こります。

お客さんの頭に浮かんだ言葉は、「千秋楽なのに、そこでつまづくの???」だったんじゃないでしょうか。

大きな笑いは爆笑になり、会場は拍手笑いが巻き起こっていました。

「すごいなー」と思いながら、自分も笑っていました。

この場面、この一コマは今でも頭に刻み込まれています。まあやの凄さっていうのは、そういうところだと思っています。頭に刻み込まれる「強烈さ」というか、またあの場面を観たいと思わせる不思議な魔力がありました。

 

2020年1月、同じMASHIKAKUが公演する『MASHIKAKU CONTE LIVE リンドバーグ』にまあやの出演が決定しています。

このライブがどうなるかは分かりませんが、笑い溢れるライブになることを願っています。(もちろん自分も観に行きます)