【シリーズ第二回】最近、乃木坂46にハマった人間が今の乃木坂46を見ていて思ったこと。【二期生と三期生の関係】

18枚目のシングルが発表され、今回も選抜メンバーとアンダーメンバーが決まりました。表題曲のWセンターには三期生の二人が抜擢されました。今回の一番の話題としてはその三期生のWセンターというのがあると思います。ただそれは、話題性があるだけではなく賛否があります。三期生にセンターが務まるか、とか。二期生の選抜メンバーが少なすぎる、とか。まあ、選抜発表が行われる度にそういった議論というのは毎回行われていたとは思うんですが、今回はより大きかったんだろうと。想像の範疇でしかないんですがね。
この選抜メンバー、特に三期生センターへ疑問符を投げかけるのは当然と言えば当然なんですよね。特に、二期生やアンダーメンバーを応援している方々にとってはあまりにも救いがなさすぎたというか。選抜発表がそういうものだと言われれば受け入れられるんですが、それにしても……というのはあったように感じます。
時系列を追っていくと「真夏の全国ツアー神宮2days」がありました。そこで行われたのは普段のライブとは少し趣向を凝らした期別ごとのライブでした。そこで二期生のパートが感傷的だったと。まあ、今の二期生の立場って微妙だと思います。新しく三期生が加入し、その三期生が単独でライブを行っているわけですが、二期生だけの単独ライブはないですからね。
神宮での感傷的で心打つライブから、18枚目シングルの選抜発表の二期生を見ていると、本人たちは不遇だとは思っていないと思いますが、そう感じる人間も少なくないと思います。
時系列的にはおそらく選抜発表⇒神宮ライブなので、二期生メンバーの心情というのはファンほど下向きではなかったとは思います。だから神宮で心打つようなパフォーマンスができたんでしょうし。でもファン目線で観ると、神宮ライブ⇒選抜発表なので、より二期生が報われない気持ちを味わったかと思うんです。
こうなってくると、二期生に思い入れのあるファンと三期生に思い入れのあるファンが意味のない対立構造が生まれてしまう恐れがありますよね。というか、もう起きているのかもしれませんが。
ここでの一番の問題っていうのは運営の管理だと思うんです。別に選抜メンバーに二期生をもっと入れろとは思わないです。それはタイミングや状況、色々と考えるべきことですから。選ばれてしまった三期生を感情的に叩くのも違いますし、ここではの原因を作ってしまったのはやっぱり運営側な気がしてしまいます。
そもそも二期生と三期生を比べる上で大切な点の一つに、研究生期間の有無があると思います。今の三期生のブログ形式を見ると研究生か正規メンバーか分からないところもありますが、NOGIBINGO8なんかを見ると、三期生全員が出演していたしもう正規メンバーと言ってもいいんじゃないかなと。
二期生の始まりって本当に特殊だったと感じます。いきなりセンターへ行ったメンバーもいて、選抜に選ばれたメンバーもいて、学校の関係で活動できなかったメンバーもいて、研究生だったメンバーもいて、本当にバラバラのスタートだったと思います。特に最後まで研究生だったメンバーは約二年は飼い殺しみたいな状態が続いたわけです。そこで辞めてしまったメンバーもいて。
10代で、しかもアイドルを夢見た彼女たちの1年、2年なんて想像もできないほど濃密な時間なわけで。それが今後どうなるかも分からずにただ研究生をしていたメンバーがどれだけの感情を抱いていたのかは分かりません。でも、相当に苦しかったんじゃないでしょうか。二期生の経緯っていうのを知れば知るほど、二期生に思い入れの強いファンの気持ちも分かるんですよね。今では全員が正規のメンバーですが、そういった過去と歴史が二期生を動かす原動力にもなっているんじゃないでしょうか。
そういった二期生がいて、三期生の立場はどういうものか考えると、三期生は三期生単体で動くことが多いです。その理由としては、一期生や二期生の経験をすぐには埋めることができないので、まずは単体で動いて経験を重ねていってほしいという運営側の考えがあるんだと思います。そしてそれが出来るだけの力が今の「乃木坂46」にはあります。ネットでは三期生から乃木坂を知ってファンになる方もいるそうで、三期オタとして叩いたり叩かれたりしているらしいですが(笑)。ただ、そういった存在が生まれたということなら今やっていることは間違ってないんでしょう。「乃木坂46」ファンでなく「乃木坂46三期生」のファンというのを獲得したのは今後の乃木坂にとって何らかの影響を与えることは大きいと思います。
そうした二期生には二期生の歴史があり、三期生には三期生の活動があり、そこに差があるように感じてるファンの方は多少なりともいるかと思います。それが一番舞台装置のように高まったのが神宮ライブだったと推測します。
そして、そのタイミングで三期生のWセンターがありました。まあ、予測できないことではなかったので、二列目が発表され一列目が次第に発表されていくと同時に「もしや……」と。そして決まった瞬間には「なるほどね……」と。
三期生と二期生を比べると、三期生は二人が選抜のセンターを務めることになり、二期生は二人しか選抜のメンバーにいなく、ほとんどがアンダーメンバーとして活動することになりました。この配置や選出をどう見るかは人それぞれだと思います。
Wセンターに選ばれた大園と依田が悪いわけではないので、批判している人と同じように批判はしたくありません。ただ、気持ちも分かるんですよね。特に二期生やアンダーメンバーに思い入れが強い方は批判も攻撃もしたくなるだろうな、と。ただそこで批判してはファンではないと思うので、そういう矛先は運営に向けてすべきだし、運営はそういうための捌け口でもあると思います。
三期生をWセンターに配置した並びは理解できます。色々と世代交代だけではないですが、三期生に選抜メンバーの経験や地力を感じてもらうというのは一つの組織としても納得できるものだからです。ただ、ここで感じることはいつまで三期生を単独行動させるのかという点です。三期生の二人が選抜メンバーに入ったのなら、残った三期生はアンダーに行くのが通例だとは思うんですが、それはさせません。三期生はあくまで三期生という枠で囲って、アンダーという全員が選抜を目指すある種の闘いの場には赴きません。かといって研究生のように飼い殺しにはしません。飼い殺しにはせず伸び伸びと三期生単独のライブは開きます。穿った見方かもしれませんが、そこが解せないんですよね。
二期生は神宮ライブの時に二期生だけの単独のライブをやりたいと言ったそうです。そんな二期生の想いは叶わず、選抜からも外されるメンバーもいますし、それは不遇だと言いたくもなるし、言われてもしまいます。
二期生と三期生を比較していくと二期生への待遇に不満が溜まっていくのが目に見えて分かるんですが、これと言ってなにもしない運営です。強いて挙げればMV付きの二期生単独での曲ですが、MV以外微妙でより変な空気を作ってしまいましたし。
どこかで少しでも目に見える形でなにかを達成させないと、鬱憤や鬱屈とした感情がどんどんと溜まっていくように思います。それはメンバーもファンも同じで。
神宮でライブの待機中に二期生のメンバーは感極まったそうですが、それも仕方ないことでしょう。涙を流すことに否定的な方はいるかもしれませんが、ただでさえ二期生と三期生が比べられているのに、二期生から選抜メンバーは減るわ、本人たちが望んでる単独のライブもやらないわ。二期生の単独ライブくらいやってあげればいいのに、と思います。今の運営は、そういうガス抜きが下手ですよね。いつまでもそういうガス抜きをしないと二期生と三期生を見守っているファンの対立構造は深まるばかりだと自分は感じます。
三期生がポテンシャルが高くて、逸材が多く集まっているから単独行動できるほどの力があるという見方もできますよね。そういう意見もよく目にしますし。でもそれって、ただかわいい娘が多いだけじゃないの?と思ってしまうんですよ。ただのかわいい娘に興味はありません。とまでは言いませんが、でも自分は、かわいいだけではファンにはなれないですし、応援したいとも思いません。名前を覚えておく程度だと思います。川後がいつかの乃木坂工事中で言っていたように見た目ってものが非常に大事だし、それも理解できるんですが、でもアイドルって見た目だけじゃないと思うんです。その娘の内面から好きになって応援したいと思わせるのがアイドルだと思うんですよ。だから、かわいいだけでは応援したいとも思えないし、三期生に対しては別グループってほどの独立感までは感じないですが強く引き込まれないんですよね。(二期生もかわいい娘は多いと思いますよ)
だから三期生に対しては、乃木坂工事中やNOGIBINGOとかはもっともっと彼女たちのパーソナルな部分に焦点を当てた番組を作ってより内面を掘り下げて欲しいなと思います。そのためには暴露トークみたいなトーク形式も良いんですが、なんかしらの企画を持ってやってほしいなと思いますね。乃木坂はトーク番組が苦手だと思うんで。
二期生は三期生の加入によって立場がより明確になってきました。不遇の二期生というのがより鮮明になって、ファンの方はより思い入れを強くしたと思います。それは良し悪し関係なく三期生の加入がなければ起こらなかった事です。そういった意味では一期二期三期とそれぞれの立場が生まれたことでより立体的な存在感が生まれてきたように思います。
18枚目シングル選抜発表の際、三期生の山下がニコニコ笑って祝福しているのに、二期生の渡辺と山崎はなんとも言えない睨むような渋い顔をしていて、その表情の違いが比較され取りざたされたりしましたが、それは比較できないでしょ、と思います。
これはどんなことでも言えるかもしれませんが、立場や環境、境遇や性格も違う人達を一括りで語るのは不可能です。ましてやアイドルなら尚更で。山下は乃木坂に入ってようやく一年といったところです。初めての選抜発表の場だと思います。そんな立場で同期のメンバーがWセンターに選ばれて誇らしくもあり応援したい気持ちもあり、ああいう表情が自然と生まれたのだと推察します。それが彼女の本来の性格なのだろうから、それはそれで良いと思います。特に否定もなにもしません。さらに言えば山下なんて選抜アンダー関係なく雑誌のグラビアや媒体にどんどん出ているわけで、選抜アンダーの露出の違いはまだ知らない環境にいるわけです。じゃあ、渡辺と山崎はどうかといえば、二期生として入ってきて最後まで研究生だったボーダー組です。苦汁も味わい、同期の活動辞退を経験してきた彼女たちです。二期生から選抜が減らされ三期生がフューチャーされ、やりきれないもどかしさが表情に出てしまったのかもしれません。でも、その気持ちも分かるんです。それが彼女たちが乃木坂で培ってきた歴史だからです。そんな立場や環境、境遇や性格が違う三人をキャプチャして同列に比較するなんて、それはファンとしてどうなのよと思いました。
まあ変な人はいますよねって話なんですが、どうにももどかしく感じました。まあ、山下が苦労するのはこれからなのかもしれません。(多分、そんな苦労する気もしないけど)
ここまで書いてきて思うのは、ファンって苦労した人間にだけより思い入れが生まれるってことなんですよね。今、二期生を熱心に応援している人の原動力になっているのは三期生の存在もあるのではと思います。苦労でいえば、一期生がなによりも苦労してきましたよね。なにせ乃木坂46を立ち上げて今の今まで作りあげてきたメンバーですから、選抜アンダー関係なくどのメンバーに対しても思い入れがあります。だから一期生は揺るがない、という見方もできます。ただ、二期生も苦労は多いです。入ってきたときから一期生は二期生を可愛がる余裕もありませんでした。それに研究生期間もありました。一期生という強い存在に対して、どの二期生も、もどかしい思いを抱いていただろうと感じています。だからこそ必死でやってきて、今では一期生二期生の垣根もなく同士と呼ばれるだけの力や歴史を積み上げてきました。
そういうこと歴史の重なりがあるなかで、じゃあ三期生はどうなんだろう?という疑問が生まれます。三期生はそこにどう入っていくべきなんだろう、と。
個人的な意見になりますが、今の流れは三期生に対して過保護が過ぎると感じているんです。三期生に苦労しろ、と言っているわけではありません。アイドルでやっている以上は自分が想像しているより遥かに苦労はしているでしょう。でも、それでもちょっと甘いんじゃないのと思うことが何点かあります。
まずは18枚目シングルの選抜メンバーです。フロントや福神、三列目を見ても、まあ人気メンバーをこれでもかとガチガチに固めた面子です。三期生のWセンターという風当たりが強くなりそうなものをどれだけ和らげようかという意図が見え隠れします。こういった選抜の選び方にはWセンターの新鮮さよりも、保守的な要素しか感じないんですよね。与田には西野、大園には白石、乃木坂の二枚看板とセット売りして三期生が一期生と仲良くやっていることを押しつけられるのも気味が悪いですし。(本人らは仲良いと思いますがそのアピールが過剰に感じます)そして単独のセンターではなく、Wセンターにすることでお互いの不安を和らげようとする采配。これに至った経緯には堀のバレッタがあったとは思うんです。あの頃の堀は孤独さを感じているようでしたし。でも、センターっていうのは乃木坂の表題曲の看板を一人で背負っていくカッコよさもあると思うんです。重責でもあるし批判も多いので誰もやりたがらないですけど(笑)、そのカッコよさや責任感を分散させてセンターの魅力を半減させてしまうのがWセンターだと思うんです。堀だって、あの時にボロボロになりながらセンターを務めたことが、今バレッタをやる時に特別な存在感を生んでる要因になってるような気もします。だから若い三期生のセンターも一人だけでよかったのになー、と。これは完全に好みの意見なんですが。
あとは、TIFですね。これが一番気持ち悪かったです。TIFの大トリを三期生が務めることに決まったときは「まーた、単独で動くのかよ」と思いましたが、TIFというアウェーの空気感もあるであろう会場でライブすることは貴重な経験なので、今までとは違ったなにかを得れるのでそれはそれでよかったなと改めたんですが…。その大トリの三期生ライブに選抜メンバーがサプライズ出演してライブを大いに盛り上げた、と。これは三期生にとっては「先輩助けてくれてありがとう」なのかもしれませんが、やっぱり過保護だと思うんです。少しくらい傷ついたっていいじゃないですか。そうして逞しくなる彼女たちをファンの人はより応援したいと思い、思い入れが強くなる。決して立ち上げからいる一期生でも、過渡期に加入してきた二期生でもなく、しっかりと乃木坂46という土台が作られた上で色々と経験を積み上げられる三期生だからこそ、厳しい環境に身を置いて一周りでも二周りでも大きくなって欲しいと自分は思います。
一期生と三期生が関わりを持つことが多くなって、一期生が三期生を溺愛している様子を見てなんか違うよなーと違和感を抱いているなか、どこかのコメントに書かれてあった「堀がセンターになったときは支えつつも自分たちが輝く意志やプライドがあったのに、大園与田がセンターになったときはすっかり見守りモードで冷めていってる」という意見にはなるほど、と腑に落ちた部分がありました。この意見もさっきから述べている「過保護だ過保護だ」という意見に近いのですが、それよりも一期生と三期生の関係を考える意味合いが近いです。つまりここで思ったのは、一期生と二期生は同士であると言ったメンバーがいました。ただ、じゃあ一期生と三期生は同士なのかと。多分、まだそこまではなれてませんよね。それは当たり前です。一緒にいた時間が違いますから。でもこの先一期生から三期生まで一致団結していくためには三期生は頑張りが必須ですし、それは大変なことだと思います。それなのに一期生がそんな見守りモードで同士になれるのだろうかと。一期生にはもっと厳しくも温かい目で三期生を見て欲しいと思いますし、そんな三期生を経験で引き上げてもらいたいのは二期生なんです。それが今の二期生の立ち位置だろうし、二期生の役目でもあると考えます。乃木坂はみんながみんな期とか関係なく仲良いことが誇らしいですが、そんな中でも三期生と一期生を繋げる存在は二期生であってほしいな、と自分はそう思っています。