【シリーズ最終回】最近、乃木坂46にハマった人間が今の乃木坂46を見ていて思ったこと。【乃木坂への課題と、これから乃木坂に期待すること】

今回は未来の話をしたいと思います。
メンバーそれぞれへ「こうなってほしい」、「もっとここを変えてほしい」みたいな熱意が空回りしている要求は割とあるんですが、グループ全体となるとそこまで多くないのかなと思ってます。

【代表曲不在】
これから乃木坂がもっと大きくなっていくため、代表曲の有無というのはポイントの一つとして挙げられると思います。メンバーが代表曲を作りたいといっているのはよく目にします。
自分からしたら『制服のマネキン』『君の名は希望』なんて今聴いても心揺さぶられる初期の名曲だと思うし、去年の紅白で披露した『サヨナラの意味』は乃木坂の王道で、王道の卒業ソング、とてもいい曲だなと思いました。
よく比べられるAKB48(公式ライバルだから当然なんですが笑)には代表曲があるんですよね。まあ、どっちもCDの売り上げは握手券云々があって単純な比較ができないから、結局はカラオケのランキングとかに頼るしかないんでしょうが。
AKBだと『ヘビーローテーション』、『恋するフォーチュンクッキー』が代表曲になるんでしょう。キャッチーで耳から離れないし、ノリが良くて体でノれる曲。カラオケでもライブでも盛り上がりそうな曲です。
でも乃木坂にカラオケで盛り上がる曲なんて求めてないんですよね。自分は。というのも、乃木坂らしい曲がやっぱり好きだと感じることが多いです。乃木坂らしい曲と言えばピアノから始まるイントロとテンションが上がりきらない感じを想像します。じゃあ、そういった雰囲気を持つ曲がカラオケでよく歌われるかと考えれば違うと思います。つまりカラオケで盛り上がる曲と乃木坂らしさが結びつかないんですよ。
まあ、コンセプトがないことがコンセプトでもあるので、乃木坂らしさなんていう言葉は意味を持たないのかもしれませんが、でも代表曲と呼べる存在の曲が生まれるのならそういった曲は乃木坂らしさを感じられる曲であってほしいなという願望はあります。
乃木坂46がアイドルである以上は曲を歌ってナンボなので曲はとても大事です。ですが、同時に色々とできるのがアイドルの強みでもあるので、色々な場へ進出して乃木坂46という存在を大きな存在にしていってほしいですね。

【フリートーク苦手】
乃木坂が知名度を上げるためにテレビのバラエティーに出ることが最近増えてきました。『乃木どこ』や『乃木中』がバラエティーなので、バラエティー番組の中にいる乃木坂メンバーはある程度見慣れた感もありますが、外のバラエティー番組で見る乃木坂は違った印象がありますね。
でも、乃木坂メンバーってトーク形式のバラエティーは苦手だと思うんですよ。そもそも出たがりで前へ前へ出る人間も少ないですし、そこまで喋りが達者な人間も少ない気もします。
おもしろいメンバーはいるし、しっかりと喋りで笑いが取れるメンバーもいます。でも、外向けに開かれた一般人でも観る番組で強度のあるエピソードトークをするって結構難しいことだと思うんですよねえ。身内で見ている分には楽しいことは多々あるんですが、メンバーだけのロケ企画とか喋ってる内容で笑うことは少ないような。
だから昨今のクイズ番組過多の風潮に乗っかってクイズバラエティーに多く出るのが乃木坂のバラエティー進出としては安パイだと思います。あとは夕方くらいにやってるグルメ番組とか。フリートーク形式なら一人ではなく二人くらいをセットで出したりするのがベターかなとも思います。
まあ一番は『アナザースカイ』や『おしゃれイズム』のような各人に長い時間スポットライトを当てる番組が良いですね。を雰囲気を持っているメンバーは沢山いますから彫り上げれば魅力の宝庫だと思うので。ただ、ああいうのは番組は人気がありすぎて待合が行列してるのでなかなか出れることは少ないですかね。

【生生星の復権
これ、観たいんですよね(願望)。最近ファンになった自分としても見たいんですよ。でも、最終兵器な気もします。二期生、三期生と新しい風が入ってきているのにまたデビュー曲と同じフロントにしてしまうというのは懐古していると捉えられかねない部分もあると思うので。
でも乃木坂を知れば知るほど生生星のバランス感の絶妙さに唸りますよね。三人で一つという感じがして。しかも、この三人の組み合わせにおける可能性の無限大さというか。一つの纏まりなのに色んな見方と色んな捉え方ができる。それは秋元康大先生が言うところのセンターにおける「深読みされる存在」でもあるとも思います。ただ乃木坂の場合、「深読みされる存在」よりも「透明感」「清楚さ」というものを強く生生星の三人が表してると思います。さらに言えば、乃木坂には御三家という存在もいて、「透明感」「清楚さ」プラス「可憐さ」「美しさ」という大人っぽさも兼ね備えてるので無敵じゃん!とか思ったりします。ちょっと過去の話になりますが。
今の乃木坂のフロントはお姉さんグループ感が強いんですよね。ただ、白石や西野が二列目行く気がしませんし、白石ファンは許しても西野ファンは許してくれなさそうな……(笑)。西野の場合、三列目から一列目まで行ったドラマがありますしね。
ちょっと話を戻すと、生生星をやるということは昔は良かった的な風潮を呼ぶことになるかもしれませんが、でも今の生生星はあの時とは違いますよね。あの時とはもっと違う、もっと凄い存在感のある生生星を見せてくれると思います。
(先ほど書いた代表曲をこの三人のフロントで見たいのが願いですが、それは欲張りすぎですかね)

【選抜】
今後、46人いる乃木坂が選抜とアンダーだけに別れるとは思いませんが、たとえ三分割にされたしても選抜ってシステムはなくならないと思います。ただ、これからの選抜メンバーはどうなるんでしょう。10人くらいは聖域化してるような。
大体、16人くらいが選ばれるわけですが、10人も聖域化していたら新しいメンバーは数人に絞られるわけで。しかも、アンダーでがむしゃらに戦っているメンバーもいて、より新しい血を入るのがどんどん難しくなってきている印象があります。結局、46人をどう分けていくのかが問題になると思うんですが、二つに分けるとなるとどちらかが過剰にメンバー多くなってしまいますし。多分、新しいグループ構成の形が運営から示されると思うんですが、それはアンダーアルバムが作られてからになるんでしょうか。

【アンダーがどこまで行けるのか】
伊藤かりんが言っていたように、アンダーメンバーだけで音楽番組へ出ることは一つの目標だと思います。でもそれは、そこまで遠くない目標だとも思います。アンダーメンバーだけで音楽番組へ進出することができれば、アンダーメンバーの格も上がるだろうし乃木坂46としての深みも出ると思うんですが……、出演しませんかね。
音楽番組に出るタイミングがあるとしたら、アンダーアルバムが発売される今しかないと思うんですがどうなるんでしょう。
想像を膨らませると、どの曲を披露するか問題もあるとは思います。『アンダー』や『嫉妬の権利』系のクールな楽曲だろうか、みたいな。
大型音楽番組なんかに出演する時は選抜が2曲くらいのメドレーを披露したりしてますが、そこにアンダーも一緒に出るというのはやっぱり難しいんでしょうか。メディアへの露出の差が選抜とアンダーの決定的な違いと分かっていてもアンダーや選抜に関係なく素晴らしいメンバーなのが乃木坂の良さだと思うので、一緒に出ても面白いと思ったりします。
乃木坂って中身を知れば知ろうとするほど、アンダーメンバーの存在や在り方を知って、それについて考えて、なんか落ち込むんですよね。なんなんですかねあれ。

【三期生の話をもう少し】
前回、ちょっと否定的に三期生を取り上げたかなーとか思ったので捕捉の意味でももう少し書きます。
『三番目の風』は好きなんですよね。シンセで引っ張っていく感じとか勢いを感じますし、ちゃんとライブで盛り上げるように作られてるんでしょうね。歌詞の「今までとは違う向きに吹きぬけろ!」の部分っていうのは、専門学校と言われる乃木坂において三期生の立場とかを強く表した言葉だと思うので『三番目の風』は三期生のアンセムですね。
2ndアルバムのタイトル『それぞれの椅子』もフレーズとして好きなんですが、三期生にも自分たちの椅子を自分たちで作ってほしいですね。これから(大反対ですが)卒業生が出てきてしまう状況で、その空いたポジションに自分たちを収めるのではなく、自分達らしく自分達だけの椅子を作って欲しいと思います。
まあ、三期生のストーリーはこれからです。

【劇場型と呼ばれ】
三期生が二期生や一期生と同じような歴史を通るのならば選抜やアンダーに分けられる運命にあるわけですが、やっぱりそこに苦労や歴史が生まれるような気がします。
これは乃木坂に関わらず、どのアイドルにも言えることですが、どのグループにも苦労の歴史はあって、ファンはその苦労を知って思い入れを深めていくというのが基本構造のようにあると思います。アイドル関係なくてもありますよね。
本来、そういった苦労は作るものではなく降りかかって来るものだと思います。ただそういった苦労をあえて意図的に作ったのがAKBグループだと思ってますし、その流れを汲んでいるのが乃木坂だと感じてます。
初期のモーニング娘。は歌唱中にどれだけカメラで抜かれるかこだわっていたという話を聞いたことがありますが、今のアイドルはテレビに出れるか、出れないかという問題に移行してるのかもしれません。
AKBグループや乃木坂においては一つのグループにおいて二つの集団を作り、そこに露出の差を発生させて、そうすることで苦労の歴史を作為的に作るというのは00年代からの秋元康的アイドルグループの作り方なのかな、と思っています。が、テレビに露出することもそれが引いては「劇場型」と言われる所以だとも思ってます。無駄にサプライズも多いですしね(笑)。
まあ、そういうのを含めて乃木坂というアイドルが好きなので別にいいんですが、やり過ぎると中毒のようにサプライズを求めたりするのでバランス考えて欲しいですね。

欅坂46という存在】
欅坂が生まれて、乃木坂にはどういう変化があったんでしょうか。
あまり変化がないような気も、でもあるような気もします。AKBグループの他に比べられる存在ができたというのは大きいと思います。特に欅坂の場合、デビュー曲の『サイレントマジョリティー』で一気に紅白まで上っていきましたから、その存在感はもう大きいです。その辺、乃木坂の下地はあったとしても加速度が全然違うな、という印象を受けます。未だに新しいアイドルグループが生まれて、しかもちゃんとそのグループにファンが付くのだからアイドルを作ることはやめられないのかな、と思いました。
まあ、ちゃんとAKBはAKB、乃木坂は乃木坂、欅坂は欅坂、と差別化してることは素直に感心してます。多少、上から目線な感はありますが(笑)、分かりやすく明確にプロデュースして、それが成功してるわけですからなにも言うことはないかと。
平手が大変そうでそれが話題になっていることを目にするのが多いです。外から見ている身としては、欅坂っていうアイドルグループは平手その他って感じがするんですよね。Wワタナベはモデルでかわいくて良いと思うんですが、乃木坂における白石みたいな圧倒的なビジュアルイメージで目立つ存在がいないように思うんですよね。余計なお世話でしょうが。
初期の乃木坂を背負っていたのが誰かと言えば、センターの生駒とモデル開拓していくほどのビジュアルを持った白石だったと思うんです。
乃木坂が生駒から白石にセンターが移っていったように、欅坂の場合も誰か代わりのセンターが生まれた時に広がりが生まれるのかなと。ただ、このまま平手のポテンシャルに任せて表現の幅を広げる?ことで欅坂が色々な曲を歌ってグループに広がりを持たせることもアリかなとも思います。今の中二病アイドルっていう揶揄のされ方は面白くて好きですが、そのままで行くことも難しいと思うので平手に懸かる期待も大きいのかなと。頑張って欲しいですけどね。

【モデル枠の広げ方】
欅坂でモデルデビューしているメンバーを知ると、ああ乃木坂の流れを汲んでいるのかなと思ったりします。ここまでアイドルグループの中でモデルを排出しているグループもないと思います。むしろ、そういった面が新しかったんでしょうね。
6年目の今でも久保や桜井が専属モデルに選ばれたりと、モデルを排出することは今の乃木坂のお姉さんグループ感を醸し出している一つの要因にもなってます。専属モデルになることは喜ばしいし、誇らしいんですが、もっと違うグループの広がり方をしてほしいと自分は思うんです。斉藤優里や中元がラジオ番組をやったことは、乃木坂が広がっていくことで大きなことだったと思うんです。乃木坂バブルでモデルが増えていることもあるでしょうが、その方向に行くメンバーが多くて食傷気味ですよね。まあ、天邪鬼なんで嬉しい悲鳴です(笑)。

【専門家集団の極みをライブで】
秋元康超絶大作家先生が乃木坂を例えて専門学校のよう、と仰っていました。それだけ色々な分野で開拓してるメンバーが多いことなんでしょう。
個人的に思うんことなんですが、それぞれが専門的にやっていることを使ってライブをしてほしいんですよね。伊藤万理華をはじめとするモデルメンバーが衣装を考え、ライブの途中途中では演技派のメンバーが寸劇を繰り出す。もちろん、その寸劇は高山とかが考えて良いですよね。グッズとかは絵が上手い山崎や西野がやるのもアリだと思います。別にライブではなくても良いですが、これだけ専門家集団みたいになった乃木坂で一からオリジナルの舞台でもなんでも作品を作ってほしいなと思います。

【乃木坂工事中】
バラエティー的なおもしろさから乃木坂に興味を持った経緯もあるので、乃木中には期待してしまいます。
乃木どこと比べて今の乃木中でのメンバーを見ていると、大人になったなーと感じます。初々しくやってくれとまでは思いませんが、なにか物足りないと思うことも事実です。
もっと体を張ればいいんでしょうか。もっとわちゃわちゃすればいいんでしょうか。色々と面白くなるための要因はあるはずです。
きっと今必要なことの一つにプロレス感みたいなことがあると思います。乃木中はバラエティです。バラエティである以上、多少ギスギスしててもそれはアリですし、それができるのがバラエティの強みです。
過去のスカイダイビング討論会や秋元真夏腹黒い裁判のようなバラエティ文法におけるプロレスをまた見たい願望はあります。乃木中がトーク形式を採用してる番組ならば、普通にテーマに沿ったトークをしていては新鮮味は感じてもおもしろさが物足りなく感じると思うんです。わちゃわちゃって言葉はよく目にしますが、かわいい女の子が楽しそうに話してるのも良いんですが、悪ノリで軽く罵り合ったりするのも観たいですね。

この回で全体的なことを総括するのは最後になりますが、意外や意外で文章を書きだすと色々思うことがあったので改めて面白い存在だなと思いました。乃木坂メンバー、各メンバーで色々とあるとは思いますが仲良く楽しくやってもらいたいなと願ってます。