私的、浅野真澄論。

なかなか書くタイミングが掴めなかったんですが、『アニスパ』が終わってしまうということで、ようやく踏ん切りがつきました。
自分は熱狂的な浅野さんのファンではないですし、アニスパも普段から聞いているわけではないので、愛のある文章になっているのかは分からないですが、思った事を書いて行きたいと思います。

ラジオパーソナリティとしての浅野さんを初めて意識したのは、自分の好きな井口裕香さんがアニスパにゲストで出演した回でした。確か、声優アワードラジオパーソナリティ賞を受賞した流れでゲストに来た回だったと思います。流れが流れだけにホストの二人からの質問は「ラジオとはなんですすか?」みたいな固い質問でした。井口さんは普段からふざける人ですが、一方でかなり真面目な人なので真面目な賞を頂いたということで真摯に応えていました。そこで個人的な事件は起きました。 一発目の質問でした。井口さんが真面目な質問を真面目に返答したときに、少しの間が生まれたのです。ほんの一秒か二秒か。それよりも短い間が。リアルタイムで聞いていたら気付かないような間ができました。(ここからはかなりうがった見方になります)浅野さんが「ん?」と言ったんです。そして、その言葉を聞いたか聞いてないか分からないですが、すぐに鷲崎さんが「普通のコメントですね」か「凡コメントですか」みたいなことで突っ込み、その後の質疑応答でも井口さんが真面目なことを言い、そのあとに凡コメントですねという流れで最後まで行った。最後の最後、番組をはけるときタイミングでリスナーの感謝を真摯に述べた井口さんは「以上、凡コメントでした!」と自虐ネタのように使って番組を去っていきました。自虐をしていた井口さんに対してパーソナリティのお二人が少し申し訳なさそうにしていたのが印象的でした。ただ、浅野さんが真面目なコメントを真面目に受ければ普通に流れていったのにと自分は思いました。「ん?」という言葉をスイッチにして凡コメントの流れが始まったように思えたので。
これが自分と浅野さんのファーストインプレッションでした。そのときの感想としては嫌な人だなあというのが率直なところです。
井口さんは真面目なときはとことん真面目なんで、声優アワードの賞なんて言ったら真面目度100パーセントに近いわけです。そういう面の井口さんを理解して、進行して欲しかったけど、残念ながらそういう流れにはならなかった。そして、真面目に語る井口さんが損のような役回りになったことが残念で仕方なかった。
後に、超A&G@WIKI浅野真澄の項を読んで、「初見に強い」と書いてあって妙に納得した覚えがあります。そういうホスト側の強みというのが浅野さんというか、アニスパにはありましたね。リスペクトは適度で充分。それは自分も同意見ですが、そういうのがラジオから聞き取れました。
そこからアニスパを聞くようになりました。といっても時間が空いたときだけだけでしたが。浅野さんやアニスパという番組に興味を持ち始めました。敵意だったのかもしれませんが(笑)。そこで色々と知っていくうちに浅野さんが頭のいい人だということに気付いていきました。
印象的なエピソードは浅野さんが事務所を移籍したときにかなり気を使ったという話。声優仲間はともかくスタッフの方にも神経細かく立ち回っていたというのをラジオで笑い話にしていました。浅野さんは多分、自分という人間が周りにどう見られているかっていうのを知っている人だと思います。簡単に言うと、自分を俯瞰で見れる人。だから、浅野さんが下ネタを言っているときも、本人から出ているものもあるだろうけど自分で演出している部分もあるんだろうと思ってしまうんです。そういう要求が来ていていることを知っているんだと思います。
頭がいいと思ったエピソードはもう一つあります。浅野さんがダヴィンチにエッセイを載せ始めた頃に言っていた「エッセイを雑誌に載せるならダヴィンチしかないと思った」という言葉です。声優という自分がどの雑誌ならば載れるのか、どの雑誌ならば力を発揮できるのか、そういった計算がしっかりとできているのです。感服します。また、そのエッセイの挿絵を書いているのはあずまきよひこ先生であり、浅野さんが原作として同人活動をしていた漫画『それが声優!』の作画を担当しているのは畑健二郎先生という抜擢の仕方。すごすぎます。逆でもダメなんです。どちらの二人も、その二人が力を発揮できる場を用意しているんです。どんなきっかけで出会ったのかは色々とあると思いますがどちらも浅野さんの作った人脈であることは確かだと思います。確実に力のある人を確実に力が出せる場で発揮させる。こういった、プロデュース能力も備えているんです。頭がよすぎるんです。
そういった時流から浅野さんのツイッターを見るようになりました。そこからはもう、尊敬と言うよりは恐怖の連続です。そのときの浅野さんはツイッターで漬け物作りに挑戦していました。作り方や方法をフォロワーの人間に訊いたりとツイッターらしい交流をしていました。ただ、その交流に純粋さが見えるんです。ピュアなんです。それがツイッター上でのことなんで見ている自分は困惑します。もしかしたら演技しているのでは、と思ってしまうのです。ラジオには一切ない姿だから、というのもあります。他には、そういったある種のアピールに見えなくもない姿、それが嫌味になっていないんです。そんな人はツイッター上のタレントでは滅多にいません。誰かしら、なにかをツイートしているときには変なアピールが見えるものです。しかし、浅野さんには見えないのです。もしかしたら、浅野さんがそういう人なのかもしれません。ただ、それらが起きているのは全てツイッターでのことなんです。それが、もしかしたら計算なのでは、という疑惑が払拭できない理由なのです。
浅野さんの笑い方もそういった疑惑に拍車をかけます。浅野さんの笑い方は独特で、笑い声の声が上にあがらないんです。どういうことかと言うと、普通の笑い方はこんな感じです→( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ 声が大きくなりどんどん上がっていきます。ここまでテンションが高いとは思いませんが。ただ、浅野さんの笑い方は違います。こんな感じです→( ゚∀゚)アハハハハハハハ はっきり言って、こわいです。ラジオのパーソナリティという仕事も相まって愛想笑いだとは思うんですが、その愛想笑いがうまくないんです。そこがうまかったらここまで疑惑は膨らまなかったと思うんです。けど、一定の音しかない笑い方を聞いていると、この笑っているときに頭の中でものすごいスピードの計算が始まっているのでは、と思ったりするんです。ちなみに自分が愛想笑いがうまいと思うのは櫻井孝宏さんです。
穿って穿って、うがりまくった見方もそろそろ終えたいと思います。昔から浅野さんを知っている人はここまで読んで、笑い飛ばしていることかと思います。自分でも実際に書いていて文字に起こすと変なこと書いているなと思います。ただ、浅野さんが嫌な人から、頭のいい人、そして怖い人へとなった変遷はこのようになっています。
普遍的な見方を心がけるのならば、浅野真澄さんがどういう人かという結論は、頭のよすぎる人ということになります。実際にラジオを聞けば、それはすぐに分かると思いますし、今までの活動と今の活動から見てもそれは確かだと思います。国学院大学を卒業してますしね(笑)。
浅野さんは計算能力がかなり高いんだと思います。その頭の回転の早さが、今自分が何を求められているのか。そして何をすれば正解として認識されるのか。瞬時に計算して答えを出してるのだと思います。ただ、それがあまりにもすごすぎていたり、弱みも全て計算で出しているのでは、という疑問が生まれることも確かです。自分だけかもしれませんが。浅野さんに直感というものがあるのかなと思ってしまうこともあります。だから、今回はこういった形で文字に残してみようと思いました。
アニスパが3月28日をもって終了します。悲しいことは悲しいです。ただ、鷲崎さんも言ってるようにあの時間帯には若さが求められているのかもしれません。こむちゃは音楽番組ですから、そういった形があるだけアニスパとは違いますし、残りやすいのだと思います。それに比べるとアニスパは終了する理由があるということなんだと思います。人気番組を終了させるというのは、かなりリスクのある事だとは思いますが。冷静に分析できるのは、自分自身にアニスパに対しての愛情が沢山あるわけではないからなのかもしれません。ただ、悲しいと言うよりは、寂しい気持ちの方が強いですね。浅野さんもAMでの地上波のラジオは大切にしていたと思います。今のアニラジはほとんどがインターネット放送ですが、アニスパは地上波でも聞ける大きな番組でしたから。
浅野さんと鷲崎さん。このコンビのバランス能力の高さは耳を張るものがありました。これからの二人はどうなるんでしょうか。そこまで心配はしていません。鷲崎さんは最近いろいろと仕事の幅を広げているように見えますし、浅野さんは今まで散々述べてきたように心配するところが一つもありません。自分が恐怖する持ち前の計算能力で、力強く、そしてしぶとくがむしゃらに仕事をし続けていくのだと思いますから。