鈴木先生

ネタバレになりますよ。
かなりのネタバレですのでご注意を。



「現代は、多様性の時代と言われている。だが果たしてそうだろうか? 確かに、様々な価値観を自由に選択することが許されてはいる。しかしその結果、一人一人が自分の都合のいい意見に閉じこもり、他人の異なった意見に耳を貸さない。個々の胸の中は結局、偏った考えに凝り固まって、貧しくなってるんじゃないだろうか? 一人一人が、沢山の価値観を胸に抱き、面倒で苦しくても、向き合い、葛藤し、周りの価値観との共有を一生懸命探れば、僕らには別の道が開けてくるはずなんだ」



LESSON10から。脚本はもちろん古沢良太
前後の流れを語らずとも伝わると思いますし、もう他に言葉はいらないと思います。

古沢さんって凄いテクニックのある方だと思ってたんです。どんな材料でおいしく調理してしまう人で、一つのテーマを持っている人ではないと思っていたんです。そういう意味では會川昇さんが言ってた脚本家像(一人の個人が自分を出しながら色んな作品に参加する)には当てはまらない人だなあと思ってたんです。それが良い悪いではなくて、古沢さんのテーマはないのかなと『リーガルハイ』なんかを観てて疑問に思ってたんです。
でも、違ったんですね。『鈴木先生』を観て最終話はこの台詞回しが響いたし、『情熱大陸』で普通に「価値観の多様性に関心がある」って言ってたし、古沢さんの今のテーマはこれなんですね。
そういえば『リーガルハイ』もそういう話だったなと、自分の感受性の狭さに反省しました。
そもそもが古沢さんの天邪鬼で捻くれてるところから来てるのかなと思いました。(これも情熱大陸から)同窓会のことを作中とはいえど「過去を美化してお互い慰め合うだけのなんの発展性もない集会」と言い切りましたからね。捻じれてるなあ(笑)。
『リーガルハイ2』も最終局面になって凄い楽しみなのに、来週がお休みというのは本当に悔しいです。悔しいという表現が正しいでしょう。なぜか悔しい。最終回を迎えたら全話レビューでもやってみようかなあというやる気が今のところありますが、果たして二三週間後にはどうなっているでしょうか。