高畑勲展をより深く楽しむための様々な知見

7月2日から10月6日まで『高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの』が東京国立美術館で開催されています。

高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの | 東京国立近代美術館

 

高畑勲という作家がアニメーションを通じてなにを考えてきたのか。そして、なにを表現しようとしたのか。多数の展示を通して知ることができます。

ただ、もっと知りたい人もいると思うので、そういう人のためにリンクを貼ってみようという試みです。気になった方はどうぞ。

 

 

live.nicovideo.jp

これは高畑勲宮崎駿、両巨匠の下で仕事をしていた片渕須直監督が展覧会を回りながら解説していくという配信でした。実際に仕事を共にしていたので実感のこもったお話を聞くことができます。片渕監督の後には大塚英志さんの解説もあります。

この配信は実際の展覧会を回っているので、かなり分かりやすく説明が入っています。観られる方はこれが一番おすすめなのでは。

 

 

www.tbsradio.jp

観られない方はこちらがいいと思います。高畑監督が亡くなった後、発信型ニュース番組に片渕監督が出演した回です。内容は多少、重複していますが、深い話を聞くことができます。

www.tbsradio.jp

ラジオクラウド限定もあります。

 

 

www.tbsradio.jp

こちらは展覧会のアドバイザーをされている叶精二さんの目線で語られる高畑勲展と高畑勲像です。展覧会の中身に迫った話をされています。

 

 

animation-nerima.jp

これは氷川竜介さんと原口正弘さんが高畑さんを語り尽くす内容となっています。全3回となっていて、お2人の視点が微妙に違うのが多角的な見方をもたらしていると思います。

 

 

【ファン必見】 細田守監督と宇垣美里が「高畑勲」を語る - YouTube

こちらは高畑勲展から広がる、細田守在籍時の東映アニメーションの姿や現役の監督から見る高畑勲という存在について語られています。上に挙げたサイトよりも美術に関する話が多く、その辺りが興味深いです。

 

 

animation-nerima.jp

サイト自体が少し重いかもしれません。高畑さんが入社した1959年の東映動画、その最初期の会社の成り立ちから原口さんが詳しく説明されています。高畑勲展でも初期の仕事から振り返る試みになっていますが、そこに繋がる話だと思います。

そこからサイトを遡り、虫プロの話を聞くのもアリかなと。

 

 

animation-nerima.jp

東映動画初期の作品を通じて、スタッフ一人ひとりの仕事にスポットライトを当てた解説がこちらになります。ここまで来ると少しマニアックかもしれませんが、ここまで興味の幅が広がる人もいると思うので。

 

 

style.fm

こちらはアニメスタイル編集長、アニメ様のコラムです。高畑作品では、『赤毛のアン』や『火垂るの墓』、『太陽の王子 ホルスの大冒険』が数項目に渡って語られています。これは、当時の目線と時間が経過した後の目線、色々な視点で語られているのが面白いです。上に挙げたお歴々の方々と比べて、アニメファン的な視点で語ってくれるのがとても読みやすく感じます。

 

以下は、ほとんど高畑さんとは外れますが面白い記事だったので記録用として貼っておきます。

www.nintendo.co.jp小田部羊一さんと『うごくメモ帳』篇

 

area.autodesk.jp

 

ざっと挙げるとなると、この程度の量になります。これ以外だと、文春ジブリ文庫や高畑さんが実際に書かれている本、追悼特集などになるかなと思います。展覧会の販売コーナーでも売られていたので、そちらにも時間をかけてみるのも良いかもしれません。

 

最後は、高畑さんの言葉で締めたいと思います。

 

 新しい表現というものは、多くの場合、経験済みの表現方法では間に合わないある「表現したいもの」が作り手のなかにはっきりとあり、それを具体的な「表現」としてどうしても成立させたい欲求にかられて無我夢中で悪戦苦闘する過程のなかではじめて生み出されるものです。(解説・高畑勲『「ホルス」の映像表現』アニメージュ文庫)

 

 

P.S

高畑さん的なことを考えれば、ある部分だけを引用するというのは憚られるのですが、どうしても最後は一文加えたかったのです。すいません。