自分にとってのSMAP

SMAPが事実上の解散を迎えました。
20年続いたSMAP×SMAPが終わり、そしてSMAPは2016年12月31日をもって解散ということになります。自分はハッキリ言って解散は嫌です。2016年1月に出始めた解散報道からSMAPを改めて追いかけましたが、やっぱり凄いんですよね。国民的アイドル、国民的アイドルと言われますが、ただの国民的アイドルじゃないということを知りました。だから、解散の話が出たときに「25年も第一線で頑張ってきたんだから、これからはそれぞれ自分たちのやりたいことをやればいい」みたいなことを言う人もいましたが、それでも嫌ですね。
SMAPはもう5人だけのものではないと思いますし、それが国民的アイドルの宿命だとも思います。だから本人たちがどういう思いがあれ考えがあれ、SMAPというグループの存在は無くしてはいけないと思うんです。
SMAPという存在が国民的になるにつれて色々とやりづらくなった部分はあると思います。例えば、曲。「世界に一つだけの花」以降、2014年発売で最後のアルバムのなった『Mr.S』まで国民的アイドルの偶像を破けずに苦労したようにアルバムからは見て取れました。それでも『Mr.S』では新境地というか、40代を越えた新しいアイドルグループを見せてくれたような気がしました。
国民的アイドルになって存在が大きくなり過ぎた、というのはあるかもしれません。ただ、それに耐えうる5人だとも思うわけです。少し捻くれてるけどSMAPやメンバーのことを一番に考えてるリーダーの中居正広。メンバーの戦闘を引っ張る切り込み隊長的役割を持ちながらいつまでも色気たっぷりでカッコいい木村拓哉。年齢でも5人の真ん中に居合わせ中間管理職の立場を担うもたまに少しキレたりしちゃう稲垣吾郎。メンバーの中でマイペースに突っ走りここ一番で大ボケかましたりキレ味鋭い一言を放つ草磲剛。一番年下で末っ子気質だからこそ年長組を敬ったり時にはバカにしたりする天才気質な香取慎吾。この5人は疑似兄弟とも疑似家族とも見られますが、色んなカップリングで色んな顔を見せる5人は面白いです。バラエティーではおもしろく、コンサートではオーラ―を纏ってカッコよく。素晴らしい5人だと自分は思います。
決してなかよしこよしの5人ではないでしょう。だから、トークをしているときに変に噛み合わないときも観ます。だからそういう場面がどう捉えられるのかは人の見方次第だと思いますし、マイナスに捉える人も絶対数います。でも、5人が噛み合って揃ったときの爆発力というのは魔力に近い魅力があります。
SMAPの凄さというのはまだまだ挙げることができます。
よく言われるアイドルが本格的なコントをしてバラエティに進出したこと。「$10」から始まる色気のある大人っぽいアイドル。そして、それぞれが役者やバラエティで活躍して大きな存在になりグループ自体の格を上げたこと。
でも特にその中でも自分が凄いと思ったのはグループの背負ってるものの大きさです。
SMAPというグループはスマスマが放送開始して勢いをより強くするタイミングで森くんの脱退を経験します。そして、その後も順風満帆とはいきません。稲垣、草磲が事故や事件で謹慎したりします。SMAPはそういった過去の事件やメンバーの脱退を有耶無耶にしません。それらも全てファンに包み隠すことはないです。そして、それらも全てバラエティー番組や歌の歌詞に込めてエンターテイメントに昇華させてしまう凄さがあります。アイドルにとってはマイナスであろう歌が下手なことも、踊りが合わないと言われることも、それがエンターテイメントなんだと教えてくれている気がします。全てはお客さんが楽しんで喜んでくれるためなのだとSMAPを観てると強く思います。
だからこそSMAPの歌には力があると思うんです。特に応援歌や勇気づける曲が多い『SMAP AID』は、その一曲一曲の歌詞が物凄い心に染みます。それはSMAPという存在が色々な苦難や進む道を迷うこともあっただろうグループだからこそ強く感じるんです。SMAPの曲で多くの人が勇気をもらったり、自分を奮い立たせることやができるんだと思うのです。
だからこそ「解散」の二文字が残念でならないんです。「解散」という二文字が嫌なんです。
国民的アイドルがなぜ解散してしまうのか。色々な週刊誌報道が出てきますが、メンバーの口から具体的な理由は出ていません。それも、またモヤモヤが残る結果となってしまって、ファンの方はもどかしいだろうなと思います。ただ、それでもファンの方々が凄いのはSMAP5人それぞれ本人の口からちゃんとした声で言われるのを待っていることです。そこに自分はSMAPとファンの人達の絆の強さを感じました。そしてそれが、『SMAP 25 YEARS』にも表れてましたと思います。
SMAPは解散してしまいます。ただ、またSMAP5人が笑顔で揃うのを待ち望んで2017年からの日々を過ごしていきたいと思います。


P.S.
メンバーの香取慎吾から「気遣いの人」と称されるリーダー。ファンやスタッフ、メンバーに対して優しさや心遣い、愛情を見せるリーダー。そんなリーダーが27時間テレビの最後に森くんからの手紙が読まれた時、スマスマ最終回の「世界に一つだけの花」を歌い終わった時、人目も憚らず真っ先に涙を流す姿を観ていると自分も平静で観ていることができませんでした。