ラブコメにおけるキーワード

個人的に(と前置きしなくてもいいと思うんですが)ラブコメにおける重要なキーワードをここに書き記しとこうかなと思いまして。確認作業みたいなものですね。

二つあります。二つしかありません。

1、表情
ブコメに必須なキーワードですね。よくラブコメ漫画を読んでいて思うのはこれです。これが多ければ多いほどいいと思ってます。キャラクターにある種の奥行きを与えるものだと思います。
ただ、頬を染めるのだけは気に食わない。ああいう表現に寄りかかりすぎていると感じます。「風邪引いてんかよ」との指摘をどこかで見かけましたが、ホントにその通りだと思います。自分が古典部シリーズのアニメが苦手な部分はそこなんです。ラブコメ要素が強すぎて、臭くなっちゃった。人が照れたり恥ずかしがったりするのを見て読んで悦に入るというのはどうなんでしょうね。上から目線のてんこ盛りですね。
話を戻して。しかしまあ、ラブコメに関わらずマンガ全般において表情の多様さは重視されますね。それが日常を舞台にするラブコメなら尚更だと思うのです。

2、不和
本当はもっと良い表現があるんだろうけど思いつかない(思いついたら変えるかも。でも個人的には気に入ってたりする)。恋愛が達成するってことは調和されたことだから、まあ不和でもいいかなと。わかりづらい人がいたら、勘違いとかそういう言葉で埋めてください。
まあ、昔からラブコメは勘違いと相場が決まってるような。モノクロ映画のラブコメだって、勘違いか、なにかのフリ(よくあるのは恋人)をして物語が始まるケースが多いですね。そこから恋に発展していくというパターン。二人が惹かれあうことが、成長するというものに繋がり読者や観客の感情移入をますます加速させていく。そして最後はハッピーエンド。
会話劇のおもしろさなんかも、引いてはここから発信していくものだと思っています。二人の会話内容の根源的なズレは不和によるところが大きいのだと思います。調和というのは完結するということ。人間は永遠に完結はしないけど、人間関係というものならば不和からそのズレをどんどん縮めていき調和に。もっと大きく言えば不和な関係というのはそれぞれが互いに関心を持っているということ。「嫌よ嫌よも好きのうち」なんて言葉があるけど全くその通りで本当に嫌いだったら無関心になる。だからある程度の嫌いっていうのは関心の表れですよね。首藤さんの言っていたモンタージュ理論*1の分かりやすい例えがこれなのだと思います。


おもしろい会話劇なんてものは作劇のストーリーを引っ張る上辺の要因に過ぎず、根底にあるものはキャラクターを記号的ではなく世界に存在させること。そして恋をするキャラクターを魅力的に見せることだと思うのです。外郭には多種多様な理由があるとは思うんですがその発端として、「表情」と「不和」という二つのキーワードを挙げたいと思います。

*1:なんでもない犬のカットの次にドッグフードのカットを繋げると犬がドッグフードを欲しがってるように観えるというもの。なんでもない二人の会話もモンタージュ理論をうまく使えば、二人の関係性が底にある強い意味を持った会話になるというもの。だったはず。