クロニクルは終始胸糞悪い映画だった

クロノクルって覚えてしまいがちになるこの作品。『クロニクル』ですね。
観たんですが、色々と渦巻いてるので雑多な感想になりますが申し訳ない。

とりあえず言いたいのは主人公がカスだった。全く主人公に感情移入できるところがなかった。唯一あるのが父親からの攻撃というか虐待というかその場面。身体的なダメージを喰らえば感情移入できるだろうって考えがもう浅はかでした。アメリカだとああいうのでもいけるのでしょうか。
AKIRA』なんかは鉄雄がバイクをうまく乗れてない場面で劣等感をうまく出してますよね。
それがないうえに、主人公がカメラを持って他人と喋ったり、カメラを回していることを他人に注意や怒られているのに、それをやめないという、自分を客観視できないただのバカなんですよ。普通に考えて日常的にカメラを向けられて嬉しいわけないだろ。それも考えられないのか。そのくせ、力に目覚めてからは自己顕示欲が高まっていくというアホっぷり。テンションが上がって友人には気を遣えないし、もう手に負えませんでした。
そもそも、ファウンド・フッテージ形式? POV?(ぶっちゃけよくわからない)で撮っていることも気に入らない。
ああいう技法を使う場合、登場人物がなにかしらの思惑を持って撮っているはずなのに、そこが全くない。主人公がカメラを持ったそもそもの理由、好意的に解釈するならば、主人公が誰からも認めてもらえなくて、でも誰かから認められたいってなったときにビデオカメラしかすがるものがなかったっていうような感じだけど、それにしては能力が覚醒する前から使っていたし……、どういうことなんだよ。
主人公が他人に向けてビデオカメラを回して、それを怒られたら一人泣くって、悪いことやってるのお前だよ(笑)。あそこは爆笑もの。
主人公が能力を行使して車を川へ落としたときも、友人は助けに行くのに主人公はただ茫然とカメラを回すだけ。助けに行けよ。やったのお前だろ。誠意を見せろよ。
従兄弟のマットも終わってましたねえ。終始口ばっか。付き合いたい彼女に言う言葉が「俺は変わった」「俺は昔とは違うんだ」。なら行動で示せよ。
最後に主人公を止めようとしてましたが、彼の行動倫理からすると罪もない人に被害が及ぶのが見てられないだけなんですよ。だから主人公でなくても止めに行きますよ彼は。断言してもいいです(笑)。そして最後のマットの台詞。「俺は主人公のことが好きだったんだ」。嘘をつけ! また口だけだよこの男。
この映画唯一の良心、スティーヴもあっさり殺すしなあ。スティーヴ周りは特に鼻に付くことはなかったかな。スティーヴすごかったですね。オバマ越えたかと思いました。それだけに最後が……。あれだけ自暴自棄にするならあの前に母親を殺したほうがなにかと都合が良かったのではないかと思いました。
最後に主人公が暴れるとこは、主人公の心情がマットにも台詞で伝わったほうがより悲壮感に溢れたとは思いますが、素人の妄言ですね。でも思いついたんで書いときます。
空中のCGも個人的にはしょぼかった(見せ方はよかったと思うけど)。ラストのアクション群も一々ニュース映像とか挟んで流れを阻害するし。最後のまってましたのチベットには笑いましたよ。

終始、主人公にイライラする映画でした。でも、楽しめる人は楽しめると思いますよ、という雑なフォロー。僕には無理でした。なんでだろう、と考えて出たのが上記の理由だったわけです。ただ叩きたいって理由もなくはないです(半分くらい笑)。
学生のノリは悪くなかったと思いました。観客が観て、キツいと思うくらいが丁度いいと思います。

なぜか日本版が貼れない。