STAR DRIVER 輝きのタクト

スタドラを見始めたのはPVを観てすごく興味を持ったからです。
http://www.star-driver.net/trailer/index.html

どんなアニメになるのか全くわかりませんでした。
その意味不明さは一話でも健在でしたが(笑)。衝撃の一話から歴史に残る最終回まで青春の謳歌っぷりは素晴らしかったですね。
観てない方でもまだ間に合う!
http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=2807

観ているうちにシリーズ構成の榎戸洋司さんがウテナFLCL、トップ2の脚本をしている方だと自分の中で判明しまして、だからキャラがこんなにぶっ飛んでるだと理解できました(笑)。
2クール作品や4クール作品を観るにあたってキャラが面白くないと最後まで観る気が起きないんですね。感情移入できるキャラクターも必要ですね。
ぶっ飛んでるキャラクター達が互いに起こす化学変化が観ていて面白いし、そこからストーリーが変化していくんだと思いました。

作画的にはメカですね。もちろん日常芝居でもうまいカットは多々ありますが、色んなメカ作画を観れるところが面白いです。
新井淳さんの良い意味でぶっ飛んでるワカメ影。藤井慎吾さんの大胆なカメラワークを使った作画。田中宏紀さん、冨岡寛さんの枚数を使った激しくダイナミックなアクション。阿部慎吾さん、鹿間貴裕さんのキレッキレで視聴者の手に力が入るようなアクション。サーカスもできてビックリした甲斐泰之さんの作画。
若手の頑張りをメカ作画監督の長野伸之さん、大塚健さん、そして特技監督村木靖さん含め演出家さん、監督の五十嵐卓哉が受け止めフィルムにしたような印象を受けました。
青春の謳歌ってやつです。

ストーリー的には榎戸さんが全話脚本してるんですよね。「全話脚本」って響きには憧れますね。
感動したのは16話、25話。
16話はタクトのキャラを掘り下げつつも本筋のミズノ、マリナ姉妹の成長と選択を描いていました。タウバーンとレシュバルのバトルも熱く最後の二刀流の片方の剣を敵に投げ、加速しての居合い斬りには吠えました。のちに原画集で村木さんが二刀流が嫌いだから一本投げちゃえ発言には笑ってしまいました。そして強い共感を覚えました。剣は投げるものなんですよ。確かにチャンバラもいいですけど奇を狙ったものがなければ興奮しません。

25話は榎戸さんの脚本はアクション少なめだったけど阿部さんや村木さんが最後までアクションできる!奇跡を起こせる!といって村木さんがアクション豊富なコンテにしたんです。作画期間は二週間?だったけど見事にそれを成し遂げた。やりたい事とやるべき事が一致したんでしょう! スタドラは青春を突き進むことが好きだったので自分は後日談がなくても別にいいんです、むしろそれがないほうが良かったです。
ただアクションが多いだけではなく主人公たちの成長を描いてるんです。主要三人に比べれば描かれることのなかった綺羅星十字団の面々もしっかりと描いているんです。
17話から出てきた姉妹がいらなかった、という指摘をどこかで目にしましたが姉妹がいなければサンドバック先輩やバイク先輩の成長も描けなかったわけです。そしてケイトの変化も描けなかったわけです。
最終話に綺羅星十字団の成長もみせる脚本を書いた榎戸さんのシリーズとしての構成力もこの作品の面白さなのです。
ワコの語りも初見時は驚きましたがスタッフロールの最後で「人生という名の冒険は続く」という文字で納得できました。

キャラクターだけではなく、アニメーターさん含むスタッフのみなさんも青春を謳歌していた作品。それが「STAR DRIVER 輝きのタクト」なんです。